Dutton Park

映画や旅行が好きです。 たまに本も読みます。

【本 小説】スティル・ライフ 池澤夏樹 感想

身近な日常に非日常を求める人におすすめです。

 

ネタバレするので先にリンクを貼ります。

 

スティル・ライフ 池澤夏樹
スティル・ライフ (中公文庫)

スティル・ライフ (中公文庫)

 

  

2部作構成。

「スティル・ライフ」「ヤー・チャイカ」

 

「スティル・ライフ」

2人の若い男性、僕と佐々木がバイトで知り合い、お互いのことは話さない少し変わった関係を築きます。お金に無頓着な佐々木が突然、お金が必要だと言い出し、株を始めます。

 

なんも事件なんか起こらないけれど、事件のような体験が穏やかに楽しめました。

 

文中の感性が面白いです。雪が降ってくるのではなく自分たちが地上ごとエレベーターのようにのぼっているんだ、という表現が特に新鮮で印象に残りました。雪が降って欲しくなりました。

 

関係ないですが、映画館のエンドロールも自分たちが下に下がっていっているような感覚になる時ありますよね。そんな感じでしょうか。

 

 

このスティル・ライフ、起承転結のようなはっきりとしたストーリーがないのが特徴的で、ただただ他人の生活や考えを覗き見ているようでした。そこがこの本の面白さなのかな〜と思います。

 

「ヤー・チャイカ」

軍の技術の開発を行う父と高校生?の娘の2人暮らしです。出張の帰りの車で偶然知り合ったロシア人と、父娘が次第に仲良くなっていきます。実は、そのロシア人は諜報機関に勤めていたが、あまり情報を聞き出そうという感じではありません。

 

この話も、大どんでん返しがなく、たんたんと会話や父娘の視点からの描写が続きます。

 

この話のところどころで恐竜を飼っている妄想の世界?の話が入ります。よくわからないのですが、受け入れて読み進めてしまいました。退屈と言われても仕方ないようなストーリーなのに、なぜか自然と読み進めてしまうような不思議な魅力があります。

 

ロシアで霧に襲われる話が印象的です。